スタッフのみわこです。
先日のどろんこ村での農業体験のこと。
中でも、鶏の解体について、子どもの反応とその後。私の感じたことを書きます。
前回と同様に、テーマは「親子で農的な暮らしを体験する」。
今回は、4月に参加したときに連れて帰ったひよこをお返しすることになっていました。
もちろん、すでに鶏になっています。
でも、まだピヨピヨと鳴いているのが滑稽でかわいい。
また、どの子かは未定だけど鶏を捌いて食することは、事前にどろんこ村の小笠原さんと渡部さんと相談して決めてありました。
ひよこを連れて帰る時に、子どもには
「この子は食べる為に飼われた子。3ヶ月後にはどろんこ村にお返しするよ」
と説明したものの予想していた通り「ぴーちゃん」と名付け、ペット化してしまったことに、不安が拭えずの参加となりました。
かくいう私も、懐いてくれるぴーちゃんとのお別れは寂しいな、と感じていました。
鶏は思っていた以上に感情があって、喜んでいる時やがっかりしている時が分かりやすく、甘えてくることもしばしば。
そんな状態なので、今回は、渡部さんの配慮もあり、同じ頃に生まれてどろんこ村で育った鶏を解体することになりました。
とはいえ、解体を目の当たりにして子どもたちがどう思うかが、私はかなり気がかりでした。
子どもの心にトラウマを残さないだろうか。
鶏肉を食べられないようになってしまわないだろうか。
小笠原さんも渡部さんも、
「大丈夫、子どもは強いよ」
と言うけれど、我が子はどうだろうか。
解体の経験は、年中の娘と小学2年生の息子には早いのではないだろうか。
私自身は、不安はあるものの、解体時は自然にしていよう。
驚いたり、泣いたりはしないぞ、と決めていました。
解体は、鶏舎から鶏を連れてくるところから始まり、子どもたちの目の前で進められました。
小笠原さんがその都度子どもたちに声かけをして下さる。
「今日の夕ご飯になってくれる鶏さんを連れていこうね」
「じゃあ晩ごはんの準備するよ。」
「こうしてね、首のとこを切るんだよ。」
「かわいそう?だけどね、みんなが普段食べてるお肉もね、誰かがこうして鶏の首を切って、お肉にしてるんだよ。鶏肉はみんなそうなんだよ。」
息子は初めこそ、目を塞いでいたけれど、二羽目には乗り出して見ていました。
娘は目の前で見たいと言って、最前列で食い入るように見ていました。
その後、鶏は血抜きし、お湯につけて毛をむしる作業に。
スルスルと抜けるのが気持ちいいのか、二人とも積極的に参加していました。
「ママもやろうよ」と誘われて私もスルスルと抜きました。
その後、胸肉、ささみ、もも肉、手羽先、レバー、砂肝、見覚えある部位に分けられました。
不思議なもので、ここまでくると、なじみのあるお肉。
ここで、私もホッとして、力が抜けたー。
子どもたちもそんな様子。
今回の解体を 子ども達はどう思ったのだろうか。
もちろん、びっくりした様子ではあったけれど、心に傷ができた様子はないし
お肉が食べられない様子もなし。
子どもの心を傷つけたくないと、先回りすることは、もしかして過保護だったのだろうか。
本当に思っている以上に逞しいのかも?
子どものことを信じること、は難しい。
でも、もっと信頼しなくては、と思いました。
もちろん、小笠原さんが自然体で進めて下さったので、子どももそれが当たり前のように受け取れたのだと思います。
そして、私が改めて思ったことは
命を奪うことは残酷だけれど、それでも私は食べたいと思っている。
でも食べるならば、選んで購入しようと強く思ったこと。
食用の鶏は、通常55日前後で出荷されるけれど、できればその55日間を
過密していない環境下で、適度の運動ができ、無理に成長させず自然体で育てられた鶏を私は、選びたい。
飼育期間が長ければ、より嬉しい。
味だって若鶏よりも、親鶏の方が濃いのだから、食べる私だって嬉しい。
スーパーで売られている安価な若鶏は、その裏側を想像したら、私は買いたくないと思った。
そして、少しの量を大切に食べたい。それを子どもにも伝えたいと思いました。
最近のニュースで、賞味期限切れで大量に破棄されたなんて、悲しい現実もあり。
また、大量生産を目的として、植物状態にした鶏にチューブで栄養を送る飼育方法を提案する人がいたりと、本当に考えさせられる事が多い。
私たちは命をいただいてる、それを忘れてはいけない、のだと思う。
「育てて食べる」とそれがよくわかる。
今後はFacebookにて、我が家のぴーちゃんの様子を知ることができ
解体されちゃう日も分かるだろう。
そのとき、また、子どもたちは何を感じるのかな。
ぴーちゃんは、3ヶ月の間、我が家で愛され、解体される直前までどろんこ村でのびのびと育ち、どろんこ村で解体され、大切に食べられる。
安価で簡単に、お肉をお腹いっぱい食べられる時代ではあるが、今回の体験が
スーパーに並ぶパック詰めされたお肉の向こう側を考えるきっかけになればいいな、と思います。
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